2016年3月1日火曜日

【映画メモ】THE HATEFUL EIGHT

一日(ついたち)なので映画を見てきましたよっと。



バイオレンスですわー、R18ですわー

北野武「アウトレイジ」も(「アウトレイジ2」も)たいがいでしたけど、これは好き嫌い分かれますね。心臓弱い方にはまったくおすすめしません。あと、デートにもおすすめしません。わたしは大好きです

見終わった後、「映画を見た」というより、「タランティーノを見た」 という以外に表現しようのない感慨がジワジワきて、2時間半かけていい感じに頭のネジを外してくれたのを実感できました。他の監督の映画と脳みその使う部位が違うような気がするんですよね。上映時間中の脳の血流の違いを調べたら面白いんじゃないかなぁ。

終盤の30分くらいテンション高い時間が長くて、次に何が起こるか分からなくて気が抜けなくて、見終わったら心臓も脳みそもヘトヘトでした。ほんと疲れた。火曜日なのに。日経新聞の映画評にも書いてありましたが、「西部劇版レザボアドッグス」で間違ってないです。あの倉庫の中の緊張感が、吹雪に閉ざされた山小屋に移って。本作でアカデミー助演女優賞ノミネートのジェニファー・ジェイソン・リーはキーパーソンですが、基本、男臭い。ま、脚本がタランティーノなら性別も時代も関係なく、あのテンションで引っ張ってくれるんだと思います。

見どころには、70mmというパノラマ撮影用のフィルムを使って広角に撮影してることとか、雪山と吹雪をCGほとんど使ってないとか、あと、アカデミー作曲賞のテーマ曲とかいろいろあるんだと思いますが、それもタランティーノの脚本とエッセンスの台詞回しがなければ成り立たないことなので、脚本と台詞回しを可能にする、吹雪の山小屋を舞台装置に選んだ時点で成功は見えていたように思えます。そういう意味では、時代背景になっている南北戦争前後のゴタゴタや、各人が抱えるバイストーリーも、あってもなくても舞台装置の頑健さは変わらない。タランティーノが西部劇好きというの割り引けば、ライフルとピストル振り回すことの不自然ささえなければ現代でも良かったんでしょうね。

見ながらも見終わった後も、唯一残念だなと思ったのは、レザボア・ドッグスやパルプフィクションを初めて見た時の衝撃はもう味わえないという、自分に対するガッカリ感でしたとさ。